受講生の声 実践通訳講座の皆さまにインタビュー

ロシア語「実践通訳講座」受講生インタビュー

受講生インタビュー、「実践通訳講座」‘準備クラス’に所属される(2021.4.3時点)乾智絵さん、法貴美紗子さん、M.Mさん(以上、五十音順)に座談会形式でお話を伺いました。聞き手は学院長、幡野です。これまでどのように学習をしてきたか、普段どのように通訳訓練を行っているか、今後の目標、そして「ロシアのこんなものが好き!」というお話まで。ぜひお読みください!

小学校~高校のときに海外やロシアに対し、興味が湧いていた

ロシア語、そして通訳に興味を持ったきっかけを教えてください。
Mさん:出身は京都なのですが、京都でも北の方の割と辺鄙な場所で生まれ育ちました。そんな中で育ったので、外に出たいという思いが強かったんです。小学校の頃から英語を習っていた先生が海外のことをいろいろ教えてくれて、このころから海外への興味が湧きました。それで、将来は翻訳や通訳の仕事がしたい、と。大学を受験するときには、外国語を勉強して通訳者になりたいと思っていたので、外国語学部のある大学を目指しました。外国語の中でも、ロシア語は中央アジア、ベラルーシ等、使われている、通じる国は少なくなく、また隣国ではありますが現在学習者はそれほど多くないと知り、ロシア語を勉強したいと思うようになりました。それで、ロシア語学を専攻できる大学に進学しました。

乾さん:私も大学でロシア語の学習を始めました。高校生の時、NHK教育テレビのいろんな外国語講座をよく観ていたんです。遊び半分ですけれど。フランス語、ドイツ語、いろいろ観る中で、なんとなくロシア語に惹かれるものがありました。その中で、第二の都市としてサンクトペテルブルクが取り上げられていて、実際に見てみたいな、と思いました。ロシア語の文法や音の響きが印象的で、身に着けたいなと思ったんです。思い返すと、母が英語の翻訳関連の仕事をしていた関係で、小中学校の頃から海外に対する興味がありました。小さい頃はよく、英語の本を読んで、日本語に訳すという作業を見ていました。語学を使って仕事をするのは素敵だと思ったんですが、翻訳はずっと座っていないといけないし、ひたすら自分との戦いなんだなぁと。私はずっと座っているよりは、自分から何か発信していけたらなと思い、通訳に興味を持ちました。

法貴さん:私も大学からロシア語の学習を始めました。高校の時に、今後どんな方面に進学しようか考えて、その当時一番好きだった教科は英語だったのですが、英語ではない言語を、と思いました。祖母が旅行好きでロシアにも行っていて、お土産を買ってきてくれていたんです。ソ連時代だったかもしれません。小さいサモワール(湯沸し器)、マトリョーシカも何個も家にありました。それでなんとなくロシアが身近に感じられていた、というのと、あと、『オルフェウスの窓』という、池田理代子さんの漫画があるんです。『ベルサイユのばら』を描かれた方ですね。姉が持っていて、ロシアの革命のことが詳しく書かれていて、絵もきれいで……、ロシア革命のような不思議なことがどうして起こるんだろう、この国は、どんな国なんだろうと思いました。それで興味がとても湧いたんです。ロシア語は全然知りませんでしたけど、選ぶならロシア語、と思いました。

通訳に関心を持ったきっかけですが、大学で勉強していたときから、漠然と通訳者を目指したいと思っていました。それには社会人経験が必要だと思っていたので、就職をして、ロシア関係の仕事に5年ほど従事しました。そこを退社してからは仕事でもほぼロシア語を使わず、一時は関心も薄れ……、なんてときもありましたが、しばらくたってからまたロシア語や通訳の勉強をしてみたいと思うようになりました。

ロシア人の友達との交流で、スムーズな会話力が身についた

ロシア留学のご経験があれば、教えてください。

Mさん:学生の時に半年、ハバロフスクに行きました。卒業してからモスクワにも。これも半年くらいです。留学はこの2回ですね。ハバロフスクは、大学2年の終わり、3年に差し掛かるころに行きました。その頃は流ちょうに話すことができず、会話の反応を速くしたいというのが留学の目的でした。留学費用はアルバイトなどをして自分で捻出したのですが、その予算の範囲内で行けるのが、ハバロフスクだったんです。土地柄、アジアからの留学生が多かったですね。ロシア人の友達を作って、とにかく喋ることでロシア語のサバイバル能力がついたような気がします。帰ってきてからそれを実感できたので、当初の目的は達成できたと思います。

モスクワに行ったのは社会人になってからです。ロシア関連の仕事をしていましたが、もう少し勉強する必要があるなと思い、ちょうど仕事の区切りができたタイミングで留学をしました。

乾さん:学生時代、エカテリンブルグのウラル連邦大学に大学3年の後期から4年の前期まで10ヵ月留学しました。エカテリンブルグは日本ではマイナーなイメージかもしれませんが、日本語センターが多くて、週末はその日本語センターで日本語を教えたりもしました。エカテリンブルグはヨーロッパとアジアの境界とも言われて、案外、観光客もいるんですよ。あとは、ニコライ二世の最期の地ということで、大きい教会が建っていたりもします。

ウラル連邦大学では「外国人のためのロシア語」コースに在籍したのですが、ここには、いろんな国から交換留学生が集まっていました。留学したときはたいていの文法事項に理解はあり、聞く力、読む力もある程度ついていましたが、自分から発信する力、話す力がまだまだだと思っていました。ロシア語の授業は1日あたり2~4コマで、文法、会話、書く練習……、平日は一週間みっちりロシア語を勉強しました。授業やロシア人の友達と話す中で、ある程度話すようになれたかなと思います。

法貴さん:大学3年を修了したころ、10ヵ月間モスクワに行きました。МГУ(エムゲーウー/モスクワ国立大学)の外国人向けロシア語コースです。旅行会社のプランは10か月コースが多いんですよね。このプランで、日本から20人くらいまとまって行って、そこで2つか3つの班に分かれた記憶があります。駐在員の方々が中心の初級レベル、大学生中心の中級レベル…という感じですね。

クラスも寮も日本人ばかりなので、最初、ロシア人の友達ができなかったのが悩みでした。でも、確か一緒に行った友達にアクティブな子がいて、ИСАА(イサア/モスクワ大学付属アジア・アフリカ諸国大学)の前で張り込みをして、日本語に興味がある人を捕まえてくれて、交流が始まったと思います。休みの日、夏の晴れた日にモスクワを散歩したり……、その当時、買い物に行くでもなく、ただ散歩をするロシア人の友達が多かったので。美術館に一緒にいったり、バレエを観に行ったりもしました。交流を通じて話す機会も増えて、口からスムーズにロシア語が出てくるようになりました。

授業ではYouTubeなどで旬な話題を取り上げ、通訳演習

「実践通訳講座」の授業についてお聞かせください。
Mさん:テーマの選択は、先生が受講生の要望を聞いてくださいます。いまは日露の通訳がメインです。テーマにそった素材をYouTubeなどから先生が選んでくれて、事前にそれが知らされます。それを一回、各自が授業までに訳してみるんです。授業ではめいめいがその訳を出して、先生が評価、コメントしてくれます。
これまでどんなテーマがありましたか?

法貴さん:バイデン氏、トランプ氏の大統領選挙戦とか、コロナウイルスの蔓延とか、そこでは今日の感染者数は何人確認できました、というような表現を学びました。

乾さん:台風の話題もありましたね。

Mさん:懐かしいですね。

法貴さん:すごく大きな去年の台風のときですね。それに関連して一昨年の「ハギビス(台風19号)」も話題に上りました。

旬の話題が多いのですね。

法貴さん:あとは、短い日本語の会話を毎回先生が宿題で出してくださって、毎回それをロシア語に訳す、ということもしています。その会話だと、ハロウィンの話題、パンダの話題など、軽めのものが多いですね。

Mさん:会話形式のものだと普段も使えて、応用がききますね。

修了テストはサイトトランスレーション(文章を見ながら訳す)

授業の準備にはどれくらい時間をかけられますか?

乾さん:その回によって課題の量に少し差があるのでなんともいえませんが……。

法貴さん:動画2本とテキスト、というようなときもあれば、テキスト1つと会話、というようなときもあります。動画は1本5分くらいあるので、全部ロシア語に訳そうとすると結構時間はかかります。

Mさん:ニュースが多いので、情報が盛りだくさんなんです。でも、宿題はできる範囲でしています。私は前日の夜に集中的に宿題をすることが多いんですが、5時間以上かかることもありますね……。考える時間が長いので。

法貴さん:私は割と細切れに行う方で、トータルで3,4時間くらいでしょうか。

皆さん、お仕事をされながら素晴らしいですね。そういえば、今日は修了テストがありましたが、いかがでしたか?どんなことをしましたか?

Mさん:授業で扱ったことのある会話のテキストと、初見のニュース文章が配られて、いずれも短めのものですが、それを日本語からロシア語にサイトトランスレーション(見ながら訳すこと)しました。みんなの前で行ったのですが、ほかの方の通訳を聞くのも勉強になりました。

乾さん:瞬発力が試されて、とても刺激になりました。このようなテストは頻繁にあっても良いですね。またやってみたいです。

NHK WORLD ロシア語版ニュースは、スクリプトもついていてオススメ!

そうですか、それでは頻繁に取り上げていただけるよう先生にお願いしておきましょう。ところで、授業の予習復習以外に、自主的な学習で行っていることがあれば、教えてください。

法貴さん:ポッドキャストでNHK WORLDロシア語版ニュースを、週に3,4日は聞いています。

乾さん:私もまったく同じで、NHK WORLDのロシア語版ニュースを聞いています。スクリプトがあってありがたいです。

Mさん:私も聞いています。シャドーイングをしたり、スクリプトで音読をしたり。あと、自習でしていることは、短めのロシア語新聞記事をいくつかピックアップして、音読して、口を慣らしたり、表現を集めたりしています。ネットに出ている日本語のNHKニュースをロシア語に訳すことにもトライするのですが、難しくて2文くらいでギブアップしてしまうこともあります。

法貴さん:YouTubeのロシア語動画をよく観ます。わからない単語があったら調べたりもします。

Mさん:興味があるものだったら集中して観ることができるんですけれど、そうでないとどうしても集中して観ることができないこともあり、どうしたらいいんでしょう(笑)。

法貴さん:以前、ナワリヌイさん(ロシアの政治活動家)について調べたことがあって、それをきっかけにいろいろ観るようにしているのですが、重いテーマなこともあり、なかなか続かなくて……。

ロシア語を使った仕事の経験談

ありがとうございます。やはり学習は試行錯誤、悩みながらになりますよね。通訳者を目指す方はどんなふうに勉強しているんだろう、と思う方が多いと思うので、参考になります。さて、皆さん現在はフルタイムのお仕事をされていると伺っています。ロシア関連のお仕事に携わったご経験がおありかと思いますが、それらのご経験について少しお聞かせください。

Mさん:そうですね……、ロシアの方と仕事を進めると感じるのは、漠然としていますが、細かいことはあまり気にしない方が多い印象を受けます。一方で合理的な考え方をする人もいますね。

乾さん:ロシア関連の商社で働いていますが、いくつか部署がある中で、経理や総務を担当しています。ロシア語の書類の英訳が元のロシア語と同じ意味になっているか確認することがあります。ロシア語には格変化がありますよね。その格変化の表記を英語にすると、いくつかのパターンが生じてしまうことがあります。ロシア語で女性名詞を使っているから女性の形で書かれたり、場合によっては辞書に載っている男性形に直して英語にすることもあったり……、翻訳にいくつかのパターンが生じてしまった場合に、別々の翻訳が同一のロシア語を意味することを説明するのが難しいです。あとから「違うじゃないか」と言われたりすることもあったり……。ロシア語を知っていたら、いくつかパターンがあっても、それは同一のものとみなしてもらえるのですが、それを知らない人に説明したりするのに苦労することがあります。

法貴さん:ロシアという国の性質かと思いますが、制度がよく変わって困った記憶があります。あと、私の以前の経験で言うと、上層部の方だと、いつ連絡しても答えてくれて助かりましたが、一般社員の方の中には、例えば今日までに連絡が欲しい、というものに反応がなく、連絡したらもう帰っていた、連絡がつかない、というようなことがあり困ったこともありました。決められたとおりに動いてくれない、待つことが多い、といいう状態に慣れていきましたね。私たちが気長に待つ分には良いのですが、日本人のお客さんが関わっていると大変でしたね。

私の一押し。’ロシア’といえば、これ!

いろいろお聞かせいただき、ありがとうございます。そろそろまとめに入りたいと思いますが、少し毛色の違うご質問を……。‘ロシア’のおすすめポイント!ロシアの何が好き?というご質問をしたいです。言語に限らず、なんでも。いかがですか?

法貴さん:ロシアは芸術作品が多いですよね。音楽やバレエ、絵画に親しむ機会が多いのはもちろんですが、現地を歩いていると、建築物は特にきれいだなぁと思います。

乾さん:サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館は、世界三大美術館の一つですしね。学生だといつでも無料で入れるんです。そういう芸術を小さい頃から観て、接している人たちがロシア人。そこには魅力を感じます。

法貴さん:失われつつあるかもしれないですが、モスクワなどのような大都市でも空がたくさん見られます。道がとても広くて、天気が良い日に歩くととても気持ちがいいんですよ。

Mさん:あの道の広さは、日本ではなかなか味わえないですよね。

法貴さん:空が抜けている感じといいますか。建物がたくさんあっても、それよりも空間が多いんですよ。

Mさん:郊外に行くと見渡す限り森、という感じ。平原が広がってる光景を見ることができます。

乾さん:夏場にロシア人の友達のダーチャ(菜園付きセカンドハウス)に行ったことがあります。エカテリンブルグから車で30分ほどのところでした。庭でシャシリク(バーベキュー、肉の串焼き)を食べたりしました。私は山登りやハイキングも好きなんですが、歩いているとちょっと入ったところにベリーがあったりして、摘んで食べたり。

Mさん:ロシアはベリーの種類が多いですよね。辞書を見ると何種類もあります。

乾さん:ベリーが育つ季節に森に行くと、ベリーが食べ放題なんです。こんな感じでロシアは自然と共存していて、存分に自然を楽しむことができます。

Mさん:お勧めの飲み物があります。「アプレピーハ」というベリー系の植物の実のジュースで、アプレピーハは、日本語でスナジクミで調べると出てくると思います。

乾さん:あ、知ってます。シーバックソーンとも言いますよね。フィンランドなどでも採れるとか。

Mさん:そう、そうです。酸っぱいんですけれど、その搾り汁を飲むんです。ビタミンが豊富で、美容にも良いとされていて、日本でも手に入ると思いますよ。少し癖があるので好き嫌いは分かれるかもしれませんが、私はとても好きです。

乾さん:私は、蕎麦の実が好きです。麺としてではなくて、蕎麦の実をゆでて、水を切って塩をふって、をそのまま食べるんです。地味なんですけど(笑)。お米やじゃがいもと同じで、主食のうちのひとつ、という感じです。お肉と一緒に添えられることが多いですね。最近、日本でも売られているようです。

通訳者を目指して、がんばりたい

アプレピーハに主食としての蕎麦の実、興味津々です。ぜひこんど味わってみたいと思います。最後に、これからの目標を聞かせてください。

Mさん:文法の基礎を固めて、完成させたいです。リスニング力を鍛えることが課題です。自信をもって通訳ができるようになりたいですね。

乾さん:大学時代に比べたらどうしても学習時間は減ってしまいましたが、それでも、こうして去年から通訳訓練を始めたので、ロシア語力の維持、向上していけるようにしたいです。ゆくゆくはロシア語を使って仕事ができたらいいなと思います。

法貴さん:ロシア語を最初に勉強したのは大学時代でしたが、その後、かなり時間が空いてしまいました。覚えていたことがあいまいであったり、思い込みだったりしたということを、この1年気づいたので、基礎的な文法を再確認して、表現の幅を広げていきたいと思います。将来的には通訳者を目指して頑張りたいと思います。幅広く、ロシアと関わっていきたいです。

インタビューを終えて

インタビューは以上です。私は大学時代、ロシア文学を専攻し、ロシア語を学んでいましたが、卒業後離れてしまったので、このようにロシア語の上級者になられた皆さんは憧れです。私の目の前の使命は、皆さんのためになる講座づくりですが、ロシア語学習者を増やすこと、乾さん、法貴さん、Mさんのような方々に、ロシア語通訳の機会をたくさん創り出すことが今後の目標です。そのためには、日本の方々にロシアに親しんでもらったり、ロシア関連の経済、社会一連の動きを活発化させるための働きかけが必要でしょう。「橋渡し」がモットーのアイケーブリッジとしては、大変やりがいのあるテーマです。ぜひ皆さんとともに、私も頑張っていきたいと思います。お話を聞かせてくださった乾さん、法貴さん、Mさん、どうもありがとうございました!



最後にみなさんと一緒に。これからも頑張ってください!

(聞き手:アイケーブリッジ外語学院 代表 幡野 泉)


 

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